都市のスポンジ化は少子高齢化社会の未来図で取り上げた人口減少という社会構造の変化が、
都市の内部で空き地・空き家等の低未利用地が都市中心部、郊外部などに於いて小さな敷地単位
でランダムに相当数の分量で発生する現象で人口や土地利用の密度が低下する「都市の低密度化」
が平面的・立体的に現れたものを表現しています。 都市スポンジ化の発生 都市郊外の住宅地 売却も賃貸も出来ず放置・放棄された空き地・空き家が増加。住宅地の形成過程により、発生の メカニズムに差異が生じ、例えばニュータウンは居住者が同世代である場合が多く空き家が同時 発生の恐れがあります。 地方都市の中心部・商業地 開発が進んだ順に街の老朽化も進行し駅に近いほど空き家率が高く、商業地では空き店舗の増加 によるシャッター通り化に加え暫定利用として駐車場となるケースが目立つ 中心部では老朽化マンションが多くの空室を抱え(統計上の空き家の半数)「立体的なスポンジ化」 として大量発生している。 団塊世代の相続期 空き家の半数は相続を機に発生、今後大量発生が予測される。 都市スポンジ化の原因 宅地・建物に対する需要減 @少子高齢化社会の未来図で空き家問題の項にて指摘したように宅地建物の総量に対しその需要 が絶対的に満たない構造的要因と個々の空き地に対して需要があっても時間的なズレがある。 A個々の空き家・空き地は相続が契機となる事が多く、放置しても困らないという個人的事情 の為不規則に発生する。 B住宅は需要減少局面でも数量調整が起りにくく、その結果建物の老朽化や機能の陳腐化により 需要の喪失が更に空き家を生んでいる。 C土地利用ニーズの変化により期待地代のギャップなどから用途転換が円滑に進まず未利用地が発生する。 都市スポンジ化への考えられる課題と対策 対策の方向性 @市場価値のある場合は情報マッチング努力により土地区画再編やリノベーション等により権利移転 や用途変更により新たな担い手に繋ぐ A市場価値は無いがコミュニティにとって利用価値のある場合は共用空間等、利用価値を顕在化する コミュニティに繋ぐ B市場価値・利用価値共無い場合は非都市的土地利用の継承に繋ぐ。例えば、緑地化や農園等管理コスト を抑制する施設に繋ぐ 国・行政の取組 平成30年予算により具体的な検討を進め「都市スポンジ化」への対応への必要な制度化を進める事と なっています。 参照 国土交通省「都市のスポンジ化」への対応 |